ソフトシリカニュース創刊号

昭和54年5月5日 発行

八沢木白土鉱脈を発見した

故 熊谷 富治 社長

秋田大学名誉教授

故 加賀谷 文次郎 理学博士

会社創業者

故 阪本 昇 会長

当時の採掘現場

各地から寄せられる実践記録や収穫のお声、
そして研究者の方々や研究機関から寄せられる実験観察報告、識者のご意見など、
皆様にお伝えするための「ソフト・シリカニュース」が昭和50年代に発刊されていました。
時節に合わせて順次お伝えしてまいります。

創刊に寄せて 研究者の眼>

千の用途持つ粘土

秋田大学名誉教授

加賀谷 文次郎


秋田県横手市の西、大森町八沢木山中に眠っていた白い柔らかい岩石が、故熊谷新進開発社長により開発された。

現在、阪本社長の情熱と努力により、新用途の開拓等ますます発展しつつある。

この白い岩石(珪酸白土)は、モンモリロナイトを主体とし、他にクリノプチオライトとモルデンナイトを含有する。

今、ゼオライトと称し発売されている他の地産物は、硬質な溶岩を粉砕しただけで、ゼオライトのみが吸着、塩基置換性を作用するのだが、八沢木産珪酸白土はモンモリロナイト、ゼオライトとも著しい吸着性、塩基置換性を持ち、両者の相関的機能により、あらゆる用途に著しい効果を発揮する。

モンモリロナイトは外国では、「千の用途のある粘土」と呼ばれ、万能の用途がある。

特徴は水に入れると直ちに膨潤崩壊し、内部に包有されているコロイド状無機成分が緩やかに、水に溶出する。

この溶出無機成分が多方面の用途に絶妙な機能を発揮し、この点がゼオライトと称する土壌改良剤との大きな相違である。

新進開発が八沢木産白土を、他の土壌改良材とはっきり区別し、ソフト・シリカと命名したのは、実に賢明な方策であったと思う。

ソフト・シリカの作物育成における特性は、肥料や水分を保持蓄積し、緩やかに放出して穏効永続させる。

また、溶出無機成分は植物に吸収同化され健全な発育を助長する。

あらゆる農業の根源は、「良い土つくり」にあるといわれるが、ソフト・シリカは土壌中の雑菌を吸着し、土を軟らかくして団粒化し、通気排水をよくする。

養鶏養豚等における使用は、消化器内の雑菌を吸着し、排泄物の防臭に役立っている。

養魚においては、排泄物の吸着浄化並びに、コロイド成分の溶出により、水をミネラルウォーターに変え、養魚の健康を増進させている。

漁船の飲料水鮮度保持は、ソフト・シリカの恩恵といえるだろう。

ソフト・シリカがいかに他の土壌改良剤と本質的に相違しているのか、読者の方々にお分かり願えたかと思うとともに、ソフト・シリカの発展を祈るものである。

大きい啓蒙的意義

筑波大学 農林学系教授

大垣 智昭


ソフト・シリカが持つ優れた粘土鉱物の性質を認められて、生産と販売ならびに使用量がふえてきたのは、誠に喜ばしい限りです。

その上、今回、情報紙を定期刊行することに踏みきられたのは、問題の多い農地に正しく使うことを啓蒙する意味も含めて、有意義な試みと思います。

昨年十一月、中国農学会の招きで、揚子江以南の柑橘生産地を視察する機会に恵まれました。

南船北馬そのままに確かにかなり遅れた農法が行われているのが現実ではありますが、つぶさに現地を歩いて、逆に我々の骨髄にまで滲みこんでいる化学肥料万能の農法に対する反省を、強烈にさせられた思いがしました。

農機具はもちろん、肥料などの生産資材は恵まれた人民公社でさえ、必要量の60%を満たしていないのが現状でした。

自然に、厩肥や堆肥の自給自産に頼らざるをえず、試験場でも随所に自給肥料生産を推奨し、ために農地の状態はよく、作物は充実した生育ぶりを示していました。

これからも、この生態系の循環に即した農法を守るべきだと、提言して帰って参りましたが、省りみて、わが国の土の現状を嘆かざるを得ませんでした。

日本の土の快復のためにも、ソフト・シリカへの期待を深め、健全な発展を祈っております。


救農資材への悲願

近年、静かなブームを全国に拡大している秋田県八沢木産の多孔性珪酸塩白土(商品名=「ソフト・シリカ」)は、当社が生産発売を手がけて以来既に13年余を経過した。

白土がそなえている大きな衝動力なり吸着力、或いは有効性成分の多目的応用分野が、着実に展開されてきたのであるが、それは歳月をかけ一枚一枚のベールを剥がすような遅々たる牛歩にも似た足どりであった。

国内外に於いて専ら需要家側の利用段階で、実践理解を深めながら逐次実効面での重厚な蓄積を礎いて現在に至り、さらに将来も根強く積み重ねを繰り返していく方針に変わりはない。

ここに至るまでに八沢木白土が経験してきた連綿たる苦難の道程なり、先覚者多数の試行錯誤、企業化に努めた先輩たちの悲惨な失敗の経歴を回顧すると、まことに痛心きわまりないものがある。

昭和五十四年五月五日、機関紙「土はよみがえる」(通称名「ソフト・シリカニュース」)を創刊するまでに育ってきたのは、ひとえにこの稀なる逸材に慈愛の念をこめて活用されている各地多数の篤農家家庭園芸愛好家と日夜普及努力を続けている各地区販売特約店の皆様方の確固たる信念に基づく不断の努力・支援によることを夢にも忘れてはならない。

過ぎし歳月を顧みると万感胸にこみあげ感動を抑えきれないのである。

発行企画の端緒は、各地におよぶソフト・シリカの使用現地を取材報道してこられた農業関係新聞雑誌記者諸氏の強い勧告があればこそである。

広く農業界・養殖界・家庭園芸界にわたり、需要家の皆様が”救農資材”と認めてソフト・シリカと姉妹品のミリオン、リフレッシュを熱愛してくれている実情である。

各界層から温かく寄せられる大きな理解に、私共が応えられることの第一はソフト・シリカ各製品を手順よく生産し、市場への供給出荷責任を完遂することである。

モノみな氾濫の現状では時代錯誤の感を否めぬであろうが、資材の特徴・経歴と農政が推進してきた近代農法至上主義の濶歩ぶりを思い比べてもらえば合点されるであろう。

ソフト・シリカは、土壌破壊や食品汚染・栄養性低下を防ぐだけでなく、積極的に諸障害を緩衡中和し、解毒作用を進め安全性確保には抜群、いな画期独創の能力を発揮する実力が今や広範に確認されている。

増収と品質向上を正比例させる偉力も十分に判明してきた。

天巧の妙技に成るソフト・シリカが”救農資材”と呼称されるに至った所以も明らかになった以上生産発売元の企業維持責任は、実に重大と胆に銘じなければならない。

私共はこの主旨に則り、本誌発行にも常に真実を伝えつつ健全な農作物の栽培、畜産、養殖、そして草花の生育を通じて、国土に家庭に豊かな縁と安全で健康に役立つ農業生産物を提供し、心愉しい生活建設のために貢献したいと願うばかりである。

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